震災後6か月前夜

ひのつ倫子 : 2011年9月10日

  明日9月11日、東日本大震災から半年を迎えます。どのテレビでも被災地の状況報告、被災者の声を紹介したり、問題点などの指摘やルポなど報道していました。一刻も早い迅速な復興をと願うばかりです。新潟で避難している子供たちが、福島の伝統的な田植え踊りを披露していました。「お父さんが行方不明です。見ていてくれたらいいのにと思って踊りました。」の言葉に胸が詰まります。チャンネルを移すと、池上彰の「世界を変えた日LIVE」スペシャル番組が目に入りました。「野田首相は、さっそく自公を訪ねています。」「それから、経団連を訪ねて一緒にやりましょうと腰の低さを見せている。」「今国の予算はこうなんですが、復興財源にこれだけいるんですね。」こうした一連の言葉を耳にすると、ぞっとしました。なんだこの局は、震災の半年の節目に多くの現状レポートをしり目に増税肯定の番組をしつらえてる。やらせの構図がメディアにもはっきりと見えます。

 これまで財務大臣として野田氏は社会保障と税の一体改革の名による消費税の10%への増税や「復興増税」路線を推進してきました。その路線をさらに推し進めようとしているのを番組は支持しています。野田新内閣は議論を急ぎ、増税法案を来年3月までに提出するとしています。 さらに法人税の減税、原発依存の継続、TPPへの参加を求める財界と政策面でも直結しています。そして自公との党首会談で、3者が税制改定についても協議推進していくことを確認しました。これらは被災地の生活や、中小企業、農業漁業の復興の営みを破壊し、国民の暮らしを追い詰めることになります。国民の望みとかけ離れた失政と言わざるを得ません。こうしたことを無視してカット1000円の理髪店に行ったとか池上彰さんの話の行方は、ゲストに「なんだか私(首相が)すきになりました。」とまで言わしめています。恐ろしくなりました。

 

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